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 あなたの作品の大きなテーマとして「忘れ去られたモノ」があります。どのようにこのテーマにたどり着いたのですか? 何かこのテーマを強く意識した時期を思い出すことができますか?

 


 

 とても若い頃、私は世界がスターやヒーローたちだけで成り立っているのではない、ということに気づきました。実際には、2番手、3番手の人たちによって成り立っているのです。
 スポーツができて、ハンサムな愛しい兄は、地元のホッケーチームのキャプテンであり(僕は3軍。それもへたくそだった)、フェンシングの達人であり、友達が十億人くらいいた。そんな兄の影で育ったということも影響していると思います。
 しかし、それだけではありません。私はただ理由もなく、壊れたモノや見捨てられたモノに惹かれるのです。自分が変わっているようにも思えない。パートナーはいつも私のことをしかります。というのも、私がついゴミ捨て場から拾いモノをしてしまうからです。でもやめられないのです。
 剥製の動物たちは気の毒です。命が一番輝いているときに殺されて、剥製にされ、時間が止まる。でもいつしか古びてしまって、見捨てられて、みすぼらしくなっていく。剥製の動物たちを、マーケットや骨董屋で見かけると、正視すらできません。彼らは私を呼び止めます。そして自分たちの物語を話したがるのです。剥製たちにミッキーマウスの耳をつけて作品にするとき、彼らにすべて同じ顔をつけるだけでなく、私は剥製たちに第二、第三のよき人生というものを与えたいと思うのです。


self portrait as a squirrel, 2002


disneyfication lV, 2004

 

 

 

 

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