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 コンピュータやデジタル技術を使いながら作品を作るメディアアートの世界で、女性のアーティストに出会うことは多いとは言えません。また、あなたの作品やそのコンセプトでは、既存のメディアアートが問いかけてこなかったテーマについて意識的に挑戦しようとしていると感じられます。あなたは作品づくりにおいて、自分が女性であることが関連していると思いますか? また、メディアアートの現状に疑問を抱いていますか?

 


 

 これまで、自分の性別が作品に影響しているかどうかなんて考えてみたこともなかったし、政治的な視点を持ち込もうとしたこともありませんでした。でも、誤解しないでくださいね。私は自分が女性であることをとても強く意識しているし、インタラクティブ・アートの世界での女性の認知度は、少なくともフランスでは必ずしも高いとは言えません。実際、その状況を改善するプロジェクトに関わっています。でも、性別による影響が何かあるとすれば、私の育って来た背景と環境に起因するものと言えるでしょう。私は自分の能力を自覚せずに、内気な性格で育ってきたし、男性の競争社会の中に身を置いてきました。これは確実に私にハンデをもたらしたし、今でも続いていると思う。私の初期の作品『Palpitations』では性的な関係について取り組み、明らかに女性的な視点を盛り込もうとしました。でも確かに、さまざまな経験を積んでいくことによって、ある特定の性別に立場を置くことは少なくなっていますね。私は、女性教育の影響と女性たちが生きるうえで直面している固定観念について調べていきたいと思っています。

男女の関係について描いた『Palpitations』

 

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LINK
『Palpitations』
http://www.superficiel.org/joelle/art/pages/palp.htm